シャワーの切り替え軸部

東京の水はまずい?

地方から東京へ引っ越してきた方の多くが気にしているのが、東京の水道水の味です。
地方によって水道水は非常に美味しく、それに対して東京の水はまずいと昔から言われています。

実際一時期の東京の水道水は大量の塩素を加えており、塩素臭さが他の地方の水道水よりもはるかに強かったと言われており、そのときの話が現在も伝わり続けています。
さらに東京在住の方も好んで水道水を飲もうとはせず、飲み水はミネラルウォーターを購入しているという方が大勢います。

そんな東京の水道水ですが、今でも塩素の臭いが強い水道水が使われ続けているのでしょうか。

意外と美味しくなっている?

実際に東京の水はまずいのか、かつてはまずい水を作っていたことで有名だった金町浄水場で確かめてみると、意外なことに強い塩素の臭いを感じることは無く、はっきりとまずいと感じるような水道水ではないことが分かります。
かつての水道水がまずかったのは、高度経済成長のあおりを受けた河川への廃水の流出と、それらの毒素を取り除くための大量の塩素が大きな原因といわれています。

現在のように綺麗な河川を守るための法整備がなされたり、浄水技術が発展した環境では、昔のようなまずい水道水が造られることはなく、東京でも十分美味しい水を飲むことが出来ます。

住居で水の味が変わる?

地方では一軒家で家族と暮らしていたという方が、東京にアパートなどに引っ越してから水道水を飲むと、非常にまずく感じることがあります。
この理由は集合住宅と一軒家の給水方法に違いがあり、一軒家が水道管から直接給水できるのに対し、集合住宅では一度貯水槽に水を溜め込んで、そこから部屋ごとに給水する「貯水槽水道方式」を採用しています。

貯水槽に長い間水が溜まると、その間に水の品質がどんどん落ちてしまうので、余計に東京の水道水がまずく感じてしまいます。
この問題も最近は解決されつつあり、集合住宅でも増圧ポンプを取り付け、水道管から直接すべての部屋に水を送ることができるようにする、「直結給水方式」を採用していれば、集合住宅でも美味しい水を飲むことが出来ます。

古いアパートやマンションではまだ貯水槽水道方式を採用しているので、地方から東京に引っ越す際は、給水方式も合わせて確認しておくと良いでしょう。

東京の水のイメージを変える

昔に比べるとはるかに美味しくなった東京の水道水ですが、いまだに東京の水はまずいというイメージは強く、水道水を飲みたがらないという方が大勢います。
そのため東京都水道局では、自分たちの活動をより広く知ってもらうために、様々な広報活動を展開しています。

平成25年度には水道水とミネラルウォーターの飲み比べを実施し、様々な会場で美味しくなった水道水を飲んでもらい、そのイメージ向上に尽力しました。
さらには浄水場で作った水道水をそのままペットボトルに入れた「東京水」も販売し、東京都内の様々な施設で販売したり、他の地方でも飲めるよう通販も実施しています。