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東京にも暗黙のルールがある

東京で暮らしていこうとすると、なんだか今までとは違うことが起きることがよくあります。
今まで住んでいたところでは、そこのしきたりや暗黙のルールがあったはずです。

これがいわば常識として使われていたのと同様に、東京にも暗黙のルールが存在します。
郷に入れば郷に従えといいますが、東京で暮らすのであれば、知っておかなければ驚いてしまうこともあるのです。

隣人とは適度な距離を

暮らしというところでは、隣人の人が気になるかもしれません。
引っ越して来たら、向こう三軒両隣とも言いますが、東京ではそうではないこともよくあります。
実は隣の人の顔も知らないし、名前もわからないということも珍しいことではないのです。

引っ越しをするときなどは、隣や下の階ぐらいは挨拶に行くことはあるでしょう。
しかし、日常生活ということを考えると、そこまで距離が近づくことはありません。

隣のうちは知り合いというのは、東京では常識とは言えないことなのです。
うまく距離感を保ち、生活範囲には立ち入らないということが、暗黙のルールだといえるでしょう。

エスカレーターの乗り方の常識

こうした人間の距離感というところでは、エスカレーターもあります。
東京では、エスカレーターは左側に立ち、右側を開けることが暗黙のルールとなっているのです。
急いでいる人は、このあいている右側を通っていくことになりますが、大阪に住んでいると真逆なので気を付けておかなければいけません。

一部の公共機関では、この状態は非常に危険であるということで、開けないということを提言され実行されている場合もあります。
何が何でも開けなければいけないということではなくなりつつありますので、その点はアナウンスや掲示物で確認しておくといいでしょう。
駅などでは、かなりの人が駆け上がったり、駆け下りたりしていきますので、へたにぶつからないように注意しておくことも大切です。

治安のことを考える

治安という問題からも、暗黙のルールがあります。
それは、自転車を止めるときに、カゴに荷物は入れっぱなしにしないということです。
このような状態で買い物をしていると、帰ってきたときには荷物はないかもしれません。

絶対になくなるというわけではありませんが、不用意な判断は、失敗を招いてしまいます。
同じように、カゴから荷物の取っ手が出ていたりするのも危険です。
ひったくりに遭ったりすることもありますので、簡単にひっぱれないようにしておく自衛手段も、東京では常識だといえるでしょう。

合理的な考えの先に

なんだか冷たくて危険な話だと思うかもしれません。
ですが、東京では隣の人のことよりも、自分は自分であると思って生活していくことが基本的なルールであり常識になっているのです。

自分さえよければいいというわけではありません。
必要な時は協力もしますが、人間同士の距離感は、決して近くはないということなのです。
これらも常識として考えてしまえば、合理的という考え方ということもできるでしょう。