ご近所づきあい

一人暮らしでのご近所づきあいについて

地方から東京へ暮らす場合、かなりの割合で疑問に思うのではないでしょうか。
「ご近所づきあいはほぼない」
東京での一人暮らしの場合、こう思っていいでしょう。
地方から比べると家が多いですが、一人暮らしだとほぼ交流はなく、隣に誰が住んでいるのか知らないことも珍しくありません。
ときどき顔を合わせた時に挨拶するぐらいで、挨拶をしても返さない人もいます。
同じ空間をシェアしていても、他人と干渉しないように暮らすことが当たり前です。
宿舎や寮などの場合は別ですが、ご近所づきあいはほぼないと思っていいでしょう。

引っ越しの挨拶について

引っ越しの挨拶もほとんどないでしょう。
東京での一人暮らしは入れ替わりが多く、生活の時間帯も違ったりするので、昔ながらの引っ越しの挨拶が行われるのはほとんどない状況です。
引っ越しの挨拶をしないなんて!と思う人はいるかもしれませんが、コミュニケーションは時代とともに少しずつ変化しています。

新興住宅地のご近所づきあいについて

新興住宅地の場合、多くはその代で引っ越してきたファミリーです。町内会がある場合、そのつながりがあるため、まったく付き合いがないとはいえませんが、地方の様な強い結びつきがあるわけでもありません。
新興住宅地だと、地方で受け継がれてきたお祭りもないため、ご近所と深く良い関係を築くことは難しい面があります。

ご近所づきあいが活発だと思う東京23区

ねとらぼ調査隊が、アンケートサイト「ボイスノート」協力のもと、東京在住者を対象に「近所づきあいが活発だと思う東京23区」というアンケートを実施しました。
結果は3位が台東区、2位が墨田区、1位が葛飾区でした。
墨田区は江戸時代から続く隅田川の花火大会が有名ですね。東京の下町を構成しているため、近所づきあいも活発と思われているかもしれません。
1位の葛飾区は映画「男はつらいよ」の舞台ということから、墨田区と同様、近所づきあいが活発というイメージがもたれているようです。

ご近所づきあいのメリット

ご近所づきあいがまったくない場合と比べて、程よいコミュニケーションがある場合のメリットを紹介します。

近所トラブルが起きにくい。

騒音騒動をはじめとする昨今のご近所関係トラブルはお互いのことを知らないことが原因です。
顔や名前、性格をお互いに知っている間柄では、近所に迷惑がかからないように注意するのが一般的でしょう。
親しい間柄になっても礼儀やマナーは欠かせません。

子どもが仲良くなりやすい

お互いに子どもがいる場合、子ども同士が友達になりやすくなります。
親同士の仲がよければ、子ども同士も自然と仲良くなるので互いに良い味方になってくれる可能性があります。

お土産やおすそ分けなどがもらえる

旅行に行ったり、出張へ行ったり、仲良くなったご近所さんからお土産をもえらえることが多いです。
たまにしか会わない友人なら、旅行や出張へ行く話はしませんが、ご近所さんとなると留守にしているのがなんとなくわかってしまいますよね。
お土産を買わないといけない、という側面もありますが、留守中、家の様子をそれとなく見守ってくれたお礼という意味合いもあります。
ご近所から料理のおすそ分けを頂けることもあります。

緊急時に助け合える

普段からご近所づきあいがあると、緊急時に助け合えます。
家を留守にする際、子どもやペットを預けたり、災害時に情報交換ができたりするため、近所とは何かしらの繋がりがあったほうが安心です。

ご近所づきあいのデメリット

ご近所づきあいはメリットだけではありません。デメリットについても把握しておくことで、良好なご近所づきあいを続けるコツになります。

疲れを感じることがある

ヤマアラシのジレンマというものがあります。鋭い針毛を持つヤマアラシは互いに寄り添おうとすると、自分の針毛で相手を傷つけてしまうため、近づけないという寓話です。
ご近所づきあいにおいても相手に近づきすぎることで、感じることのなかった痛み、疲れを感じることがあります。
仲の良い相手であっても、付き合いたくない事柄や時間が出てきます。そのようなときに、どのように断ればいいのか、あれこれ考えなければいけなくなり、親切にされることが重荷になってしまうのです。

気遣わなければならない

ご近所づきあいには色々気遣いが必要です。
おすそ分けをいただいたら、いただきっぱなしという分けにはいきませんよね。何かあればご近所のことを気遣わなければいけないというのは負担になります。

詮索される

仲がいいからと、プライベートをあれこれ話すことはありません。
秘密にするというより、何も決まっていないことを話題にしないですよね。例えば、子どもが受験する場合、どこの学校にするか子どもが決めかねている段階では家族も答えられません。
あれやこれや詮索が好きなご近所さんだと悪気がなくても困ってしまいます。
お互いのプライバシーは大切にしたいものです。

急な来訪

忙しい時や夜に急に来訪ということがあります。
仲が良くても、今来られても困るという時の来訪は迷惑ですよね。そうはいっても無下に追い返すわけにもいかず、相手に悪気がないので困ってしまいます。

付き合いに余計なお金がかかる

町内会の行事や、ご近所のおめでたなど、出費がある場合も。

上手なご近所づきあいのコツ

良好にお付き合いするためにはいくつかコツがあります。メリット・デメリットを把握したうえで、上手に付き合っていきましょう。

引っ越しの挨拶をする

新しく入居する場合、引っ越しの挨拶周りはしっかり行いましょう。最初は関係性がわからなくても、既に存在するコミュニティへ入る新参者としての姿勢が重要です。
一軒家だと左右両隣と向いの合計3軒に挨拶するのが推奨されています。
入居からできるだけ早い日の迷惑にならない時間帯に、家族そろって挨拶するといいでしょう。

顔を合わせたら挨拶する

外で近所の人とあった場合は必ず挨拶するようにしましょう。挨拶の流れで天気など世話話をすることで、次第にくだけた関係性になっていくでしょう。

付き合う相手を限定しない

いつも同じ相手と行動しているとだんだん息苦しくなってきて、付き合いが面倒になります。色々な人との出会いから、程よい距離感でお付き合いしていくほうが良い関係が保てるでしょう。

近所迷惑な行動はしない

周囲が迷惑と感じる行動はしないように注意が必要です。テレビの大きなボリュームや夜中に掃除機をかけるなどはトラブルの原因になりかねません。
普段の生活からご近所にネガティブな印象を与えないことが大切です。

ルールや担当を守る

回覧板を回したり、ゴミ出しルールを守ったりと、コミュニティ内の協調性は大切です。
引っ越しした際、情報収集を行い不手際がないようにしましょう。
ゴミ出しのルールは地域や住んでいるところによって違うため、しっかり確認しておくようにしてください。

プライバシーの話はしない・噂話はしない

家族や家計、夫婦関係など、人に触れられたくない話題はできる限り避けたいところです。もし、執拗に聞かれた場合は話題を変えるようにしましょう。
噂話も尾ひれがついて、話が大きくなりやすいのでやめておいたほうが無難です。
もし、相手の話をそのまま聞いていると、変な形で話が伝わり、あなたが発信源にされかねません。他人のプライバシーについても、話題を変えるようにしてください。
また、同意を求められても決して同意せず、曖昧な返事をするのは避けましょう。

ご近所づきあいがなくても挨拶はしよう

都内だとご近所づきあいしないこと自体は珍しくありません。ただ、挨拶された場合、返さないというのは印象が悪くなります。
周囲からみると挨拶しないのはその人がどのような人なのかわからず、警戒されてしまうことが考えられるからです。
知らない人とコミュニケーションをとるのが苦手でも、最低限の挨拶程度はしておいたほうがいいでしょう。
最初は恥ずかしいかもしれませんが、仕事だと思って割り切って元気よく挨拶しましょう。

ご近所づきあいで起こりえるトラブル

ありがちなトラブルや対応方法について紹介していきます。

騒音問題

近所トラブルで頻繁に出てくるのが騒音トラブルです。子どもの遊んでいる声や振動、音楽やテレビの音量、友人たちで集まっている声などが挙げられます。
子どもがいる家庭だと、子どもの声がうるさいと苦情が入ってくることがあります。赤ちゃんの夜泣きがうるさいや、幼児が遊んでいる小手がうるさいという内容です。
子どもがいない家庭でも音楽やテレビの音量が苦情になることも。
特に深夜に働いている人だと、日中活動している人が就寝している時間帯に活動することでトラブルになるので、お互いの活動時間帯を把握しておいたほうがいいでしょう。

ペットの問題

ペットを飼っているとペットの鳴き声や糞など問題が出てきます。
犬を飼っている場合、鳴き声が苦情となるので、しつけが大事になってきます。
また、飼い主のマナーとして散歩の際、糞を持ち帰らないとトラブルに発展することも。景観が悪くなり、悪臭が漂ったりするので、必ず持ち帰るようにしてください。
猫は室内で飼うようにして、外に出さないように。ご近所の庭に糞をしたということでトラブルになります。

ご近所づきあいをする上での心構え

ご近所づきあいを面倒に感じる人が多いのは仕方ないことかもしれません。
ただ、色々な事情はあるかもしれませんが、あまり真剣に考えず、笑顔で挨拶するくらいの関係性を築くことができれば、十分ではないでしょうか。
ほとんどの場合、皆、自分の周りにどういう人が住んでいるのか把握しておきたいだけです。
場所によっては色々詮索されるかもしれませんが、一度知り合いになれば詮索は続くものではありません。よほどのことがなければ仲良くなっても損はしないでしょう。